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医療事務職のための電子カルテ入門改訂第2版                
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医療事務職のための電子カルテ入門改訂第2版

個数:
医療事務職のための
電子カルテ入門
改訂第2版

[ 編集 ] 津村 宏 中村雅彦
[ 発行年 ] 2019年3月1日
[ 分類 ] 医学一般 病院管理学
[ 仕様 ] B5判 本文143頁
[ 定価 ] 本体 2,600円+税
[ ISBN ] 978-4-907095-51-2
[ 主な内容 ]
●医療事務職を目指す学生のための電子カルテの入門書の改訂版。
●医療事務職教育にも最適な研修テキスト。
●電子カルテの基礎はもとより、カルテの記載方法などを、やさしくわかりやすく説明。


編集にあたって

 現代のチーム医療においては、それぞれのスタッフが専門性を十分に発揮し業務に専念できるように、職種間での役割分担が進んでいる。その一方で、質の高い医療を継続して提供していくためには、スタッフ間で患者の診療情報を共有し、問題解決に向け密接な連携を図ることが不可欠になっている。医療事務職の業務も診療情報管理士、医師事務作業補助者、医療情報技師、医療経営士など役割分担が進み、さらに専門性が求められている。本書は医療事務職が、チーム医療を担う一員として他職種と協働して業務にあたる際に必要な、電子カルテに関する知識を身につけることを目的に編集された。
 電子カルテの導入により、施設内であれば「いつでも」「どこでも」患者情報の閲覧が可能になった。また、読みやすくわかりやすい診療録の作成、管理、長期保存などの点でも、電子カルテは従来の紙カルテに比べはるかに優れている。一方、運用にあたり情報の流通と漏えいは表裏一体で、診療情報にはプライバシーにかかわる情報も多く、取り扱いには特別な配慮が求められる。さらに診療情報は患者個人の診療に役立つだけでなく、集積された膨大なデータは、新しい診断・治療技術の開発や、新薬の開発、副作用の早期発見、疾病の発症予防など、医療の進歩のために社会的に活用される特徴がある。
 2014年1月に初版を上梓してから5年が経った。この間、個人情報保護、情報セキュリティ対策の分野で大きな変化があった。1つは医療ビッグデータの活用である。2005年に個人情報保護法が施行されたが、個人情報として取り扱うべき範囲が曖昧なため、蓄積された膨大なデータの有効利用が行われてこなかったのが実情である。そこで、誰の情報かわからないように加工された「匿名加工情報」の利活用を認め、ビッグデータの利用を活性化することを目的に、2017年5月から改正個人情報保護法が施行された。2つ目は、同年に医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版が公表されたことである。最新版では、多様化・巧妙化しているサイバー攻撃への対応、地域医療連携や医療介護連携の推進、IoTなどの新技術やサービスの普及について触れられている。3つ目は、医療情報の安心・適正な利活用を通じて健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現を目指すことを目的に、2018年5月に「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」が施行されたことである。
 今回の改訂では、医療情報を取り巻く最近の変化について、Up-to-dateな知見を津村宏先生を中心に加筆・解説頂いた。好評を頂いた初版に引き続き、ご活用頂けたら幸いである。
 平成31年3月吉日
              中村 雅彦


目次


1 電子カルテとは


 Ⅰ.カルテの概念と法的位置づけ
 Ⅱ.電子カルテシステムの概念
 Ⅲ.病院情報システムの全体像

  1.診療プロセスと病院情報システム
  2.基幹系システムと部門系システム
  3.病院情報システムで扱う情報の種類

 Ⅳ.電子カルテシステムを導入する意義、導入効果
             および普及に向けた課題

  1.電子カルテシステムの意義とその導入効果
  2.電子カルテ普及に向けた課題

●column 生涯健康医療電子記録(EHR)と
               医師事務作業補助者

2 医療情報化の歴史


 Ⅰ.コンピュータの歴史
 Ⅱ.医療情報化の年代別変遷

  1.1960年代
  2.1970年代
  3.1980年代
  4.1990年代
  5.2000年代
  6.2010年代

●column 人工知能の医療応用

3 診療録電子化の歴史


 Ⅰ.診療録の記載
 Ⅱ.診療録の電子化

  1.診療録等の記載方法について
  2.エックス線写真等の光磁気ディスク等への
                  保存について
  3.診療録等の電子媒体による保存について
  4.保健医療分野の情報化にむけての
                グランドデザイン
  5.診療録等の保存を行う場所について
  6.民間事業者等が行う書面の保存等における
        情報通信の技術の利用に関する法律
  7.厚生労働省の所管する法令の規定に基づく
      民間事業者等が行う書面の保存等における
      情報通信の技術の利用に関する省令
  8.医療情報システムの安全管理に関する
                  ガイドライン
  9.IT新改革戦略
  10.医療情報を受託管理する情報処理事業者向け
                  ガイドライン
  11.ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の
          安全管理に関するガイドライン
  12.医療情報システムの安全管理に関する
               ガイドライン第4.1版
  13.医療情報システムの安全管理に関する
               ガイドライン第5版

●column 医療情報の標準化

4 電子カルテ利用の3条件


 Ⅰ.電子カルテの3条件

  1.3条件とは
  2.3条件の留意事項
  3.3条件実施の自己責任

 Ⅱ.真正性とは

  1.作成責任者の識別と認証
  2.確定操作の記録
  3.更新履歴の保存と管理
  4.システムの管理
  5.過失による虚偽入力、書き換え、消去、
                  混同の防止

 Ⅲ.見読性とは

  1.情報の所在管理
  2.見読化手段の管理

 Ⅳ.保存性とは

  1.記録媒体の劣化による読み取り不能
              (不完全な読み取り)
  2.ウイルスや不適切なソフトウェアなどによる
            情報の破壊、消去、混同
  3.業務継続の計画不備による
      媒体・機器・ソフトウェアの整合性不備

●column セキュリティと保全性を高める
                秘密分散記憶方式

5 カルテ記載


 Ⅰ.チーム医療に求められるカルテとは
 Ⅱ.POMRとは
 Ⅲ.POMRの作成方法

  1.基礎データ
  2.プロブレムリスト
  3.初期診療計画
  4.経過記録
  5.退院時要約

 Ⅳ.カルテの入力方法

  1.キーボード入力
  2.ペンタブレット入力
  3.音声入力
  4.スキャナ取り込み

●column 診療録とカルテ

6 オーダリングシステム


 Ⅰ.投薬オーダ

  1.薬剤名の確認
  2.内服薬か外用薬の確認
  3.用量の確認
  4.用法の確認
  5.コメントの確認
  6.その他

 Ⅱ.注射オーダ

  1.薬剤名の確認
  2.用量の確認
  3.用法の確認
  4.コメントの確認

 Ⅲ.画像オーダ

  1.撮影項目の確認
  2.撮影部位・条件の確認
  3.コメントの確認
  4.予約の確認

 Ⅳ.検査オーダ

  1.検体検査
  2.生理検査

 Ⅴ.リハビリテーションオーダ

  1.療法の確認
  2.リハビリテーションの目的
  3.患者情報の確認
  4.リハビリテーション実施計画書の確認

 Ⅵ.栄養オーダ

  1.食種の確認
  2.主食の形態・量の確認
  3.副食の形態・量の確認
  4.コメントの確認

 Ⅶ.処置オーダ

  1.処置名の確認
  2.使用した薬剤や器材の種類の確認
  3.使用した薬剤や器材の数量の確認

 Ⅷ.予約オーダ

  1.予約項目の確認
  2.スケジュールの確認
  3.コメントの確認

●column 医療事務職の役割分担




7 クリティカルパス


 Ⅰ.クリティカルパスとは
 Ⅱ.クリティカルパスの原則
 Ⅲ.電子カルテでのクリティカルパスの作成
 Ⅳ.電子化クリティカルパスの運用の活性化に
                  必要なこと

  1.効率的であることの条件
  2.情報共有のための条件

 Ⅴ.医療安全上の電子化クリティカルパス運用の
                    注意点
 Ⅵ.クリティカルパスの見直し

  1.EBM的検討
  2.ケア内容の論理的検討
  3.ベンチマークによる検討
  4.収集したバリアンスデータの分析
  5.DPC診療情報分析システムを利用した
                バリアンス分析

●column クリティカルパス見直しの実際

8 部門システム


 Ⅰ.薬剤部門システム

  1.調剤支援システム
  2.薬剤管理指導支援システム
  3.医薬品情報提供システム
  4.薬品管理システム
  5.薬物血中濃度測定(TDM)

 Ⅱ.放射線部門システム

  1.放射線情報システム(RIS)
  2.画像診断装置(モダリティ)
  3.画像管理サーバ
  4.画像情報管理システム(PACS)
  5.画像参照システム

 Ⅲ.検査部門システム

  1.検体検査システム
  2.生理検査システム
  3.細菌検査システム
  4.病理検査システム
  5.輸血管理システム

 Ⅳ.リハビリテーション部門システム
 Ⅴ.栄養部門システム
●column 医療機関で取得したい情報管理に関する資格

9 情報セキュリティ


 Ⅰ.情報セキュリティとは
 Ⅱ.情報セキュリティ事故発生の3要件
 Ⅲ.情報資産への脅威
 Ⅳ.情報セキュリティ対策の5つの機能

  1.抑制機能
  2.予防機能
  3.防止機能
  4.検知機能
  5.回復機能

 Ⅴ.情報セキュリティ対策の分類

  1.情報セキュリティ対策への要求事項
  2.情報セキュリティ対策の種類

 Ⅵ.物理的セキュリティ対策

  1.建物・設備対策
  2.盗難などへの対策
  3.災害対策

 Ⅶ.技術的セキュリティ対策

  1.個人認証
  2.ウイルス対策
  3.コンピュータなどの破棄
  4.暗号化

 Ⅷ.組織的セキュリティ対策

  1.情報セキュリティ・ポリシー
  2.情報セキュリティ組織体制
  3.教育・訓練
  4.情報セキュリティ関連法律

●column ハッカーとクラッカー

10 個人情報保護


 Ⅰ.プライバシーと個人情報
 Ⅱ.守秘義務
 Ⅲ.医療情報の二面性(一次利用と二次利用)
 Ⅳ.個人情報保護の動き
 Ⅴ.EUデータ保護指令
 Ⅵ.EU一般データ保護規則
 Ⅶ.日本における個人情報保護への歴史
 Ⅷ.個人情報保護法

  1.個人情報取扱事業者
  2.個人情報の定義
  3.医療施設ごとに異なる個人情報保護の法律
  4.医療・介護分野の個人情報保護ガイダンス
  5.個人情報の利用目的の特定と通知
  6.個人情報の利用目的による制限
  7.個人情報の適正な取得と正確性の確保
  8.個人情報の取得と安全管理措置
  9.個人情報の第三者への提供
  10.第三者への提供に関する記録
  11.個人情報の開示・訂正など
  12.匿名加工情報の取扱い
  13.罰則
  14.個人情報保護の適用の除外
  15.個人情報を漏えいしたときの対応

 Ⅸ.次世代医療基盤法

  1.次世代医療基盤法の目的
  2.認定匿名加工医療情報作成事業者
  3.匿名加工医療情報の流通
  4.匿名加工の方法
  5.医療画像の匿名加工

●column 日本国における法の構成
2019年11月 新刊追加
      正誤表追加