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頭頸部手術カラーアトラス                
耳鼻咽喉科
頭頸部手術カラーアトラス

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新版
頭頸部手術カラーアトラス(DVD付き)

[ 編 ] がん研有明病院頭頸科
[ 発行年 ] 2021年1月15日
[ 分類 ] 耳鼻咽喉科学 頭頸部外科学
[ 仕様 ] A4判・321頁
[ 定価 ] 16,500円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-63-5
[ 主な内容 ]
●頭頸部腫瘍に対する手術手技を日々磨き研鑽を積む手術者が対象。
●がん研有明病院頭頸科で蓄積されたさまざまな手術症例を500点以上のカラー写真とともに呈示。
●一部の手術や術後の状態をDVDに収録。



新版 序文

 頭頸部腫瘍に限らず手術に対する考え方は、手術器具の進歩、治療法の多様化とともに変化しており、従来の術式が必ずしも適応とされない場面も出てきています。頭頸部腫瘍の手術で最も目立った変化としては、より低侵襲で機能温存を重視する方向に移行する傾向にあります。それには経口的にビデオ画像を用いての切除や内視鏡による腫瘍切除(Toransoral Videolaryngoscopic Surgery;TOVS, Endoscopic Laryngo-Pharyngeal Surgery;ELPS, Endoscopic Submucosal Dissection;ESD)などのほか、現在、頭頸部にも保険収載の準備が進んでいるロボットを用いての手術(Transoral Robotic Surgery;TORS)などが含まれます。これらの低侵襲手術は適応をあやまらなければ、外切開の手術と比べて、術後機能や治療期間の面で優れています。しかしこれらの方法でも悪性腫瘍に対する手術の原則は、必要最小限かつ十分な切除であることには変わりはありません。低侵襲手術の適応で最も留意しなければならないのは無理な選択をしてはならないということです。今後、手術のみでなく化学療法や放射線治療の進歩に伴い、治療法はさらに新たな時代に移行していくと思われますが、本書で示された手術は、今後もその有用性が失われることはなく、頭頸部腫瘍手術の基本から拡大までの参考として役立つものと考えています。
 本書は新版として、今回は一部の手術や術後の状態について動画を含めて追加させて頂きました。もっと多くの手術の実際や術後の状況を含められればと思っていましたが、十分にはお示しできませんでした。特に優れた手術というわけではないかもしれませんし、非常に時間が経過したものもありますが、動画の情報の多いことはなんらかの参考にはなると思っています。読者の皆様のお役に立つことを願っております。

 2021年1月吉日
 川端一嘉



目次


概 論


1.頭頸部手術の特徴
2.頭頸部手術手技のポイント
3.手術適応について
4.腫瘍切除について
5.再建について
6.機能温存について
7.エナジーデバイスについて

Ⅰ 各疾患別手術手技


1 頸部郭清術

 1.根治的頸部郭清術
  1.皮膚切開および頸皮弁の挙上
  2.下頸部~鎖骨上部の処理
  3.顎二腹筋後腹の確認・胸鎖乳突筋上外縁の切断
               ・郭清野外側縁の処理
  4.内頸静脈頭側部の処理
  5.前内側部の処理
  6.頸動脈外側の処理
  7.止血・閉創

 ■頸部郭清術における内頸静脈血行再建
  1.再建材料としての外頸静脈の採取
  2.内頸静脈とグラフトとの吻合の実際

 2.保存的頸部郭清術
  1.皮膚切開および頸皮弁の挙上
  2.顎下部の郭清
  3.下頸部の処理
  4.副神経の保存、 胸鎖乳突筋上縁と郭清野
      外側縁の処理、 および内頸静脈上縁の確認
  5.副神経の処理
  6.横隔神経の確認、頸神経の切除、
              および内頸静脈周囲の郭清
  7.舌下神経の保存と血管の処理
  8.下内側の郭清と郭清物除去
  9.止血・閉創

 3.Anterior approachによる保存的頸部郭清術
  1.皮膚切開
  2.顎下部の処理
  3.胸鎖乳突筋の剝離
  4.郭清
  5.郭清後

 4.Antero-posterior approachによる保存的頸部郭清術

 5.選択的頸部郭清術
  1.Supraomohyoid neck dissection
  2.Posterolateral neck dissection
  3.Lateral neck dissection
  4.Superselective neck dissection

 6.領域郭清
  ■a. 咽後郭清術
   1.咽喉食摘時の咽後郭清術
   2.喉頭が保存されている場合での咽後郭清術
  ■b. 気管傍郭清

2 口腔癌の手術

 1.舌癌の手術
  1.頸部の準備
  2.口腔処理
  3.頸部からの腫瘍切除と割面の確認
  4.創部洗浄
  5.皮弁の選択
  6.再建の準備
  7.皮弁の縫合
  8.微小血管吻合
  9.皮弁のトリミング
  10.ドレーンの留置
  11.気管切開の留置
  12.術後管理

 2.舌亜全摘術、全摘術および再建術
  1.下準備
  2.舌切除
  3.輪状咽頭筋切断および咽頭縫縮
  4.皮弁縫合
  5.喉頭挙上
  6.閉創および気管切開

 3.その他
  ■a. 上歯肉・硬口蓋癌の手術
   1.患側歯ぎん部の切開
   2.上顎前壁の露出と開洞、上顎洞粘膜の処理
   3.上顎側壁から後壁方向に回り込むラインの決定
   4.上方ラインの骨切り
   5.頬粘膜側から上顎結節を回り込んでの軟口蓋の
                       粘膜切除
   6.硬口蓋の切除
   7.術創への植皮
  ■b. 口腔底癌の手術
   1.手技
   2.腫瘍歯肉側の切開
   3.頸部術創との交通ならびにpull-throughの準備
   4.舌の切除
   5.pull-through法による切除
   6.再建皮弁の選択
   7.皮弁の縫合
  ■c. 下歯肉癌の手術①口内法による下顎辺縁切除
   1.歯肉頬側の切開および粘膜面の切除ラインの決定
   2.歯肉舌側組織の切除
   3.下顎辺縁切除
   4.切除後の縫合
  ■d. 下歯肉癌の手術②下顎区域切除後の肩甲骨皮弁
                      による再建
   1.cheek flapの挙上
   2.下顎区域切除
   3.軟組織の切除
   4.再建
  ■e. 頬粘膜癌・臼後部癌の手術
   1.皮膚切開および皮弁挙上
   2.下顎辺縁切除
   3.上顎部分切除
   4.臼後部~軟口蓋にかけての切除
   5.口腔底~舌扁桃溝、後口蓋弓沿いの切除
   6.再建

3 上咽頭癌の手術

 1.皮膚切開
 2.下顎正中離断・口腔底側方切開・下顎スウィング
 3.頸部処理
 4.上顎洞の開洞、部分切除
 5.硬口蓋の切除、上咽頭の展開
 6.上咽頭腫瘍切除
 7.再建
 8.術後状態

4 中咽頭癌の手術

 1.中咽頭側壁癌
  1.皮膚切開
  2.上頸部から咽頭後部の処理
  3.皮弁挙上
  4.原発巣の切除ラインの決定
  5.下顎骨の処理
  6.pull-through法による原発巣切除
  7.遊離皮弁による再建
  8.術後状態
    DVD-1 機能温存再建 1 口腔再建

 2.中咽頭前壁癌
  1.皮膚切
  2.舌動脈・舌下神経の温存
  3.咽頭腔へのアプローチ
  4.切除ラインの決定
  5.輪状咽頭筋切除
  6.一期縫縮
  7.喉頭挙上
  8.閉創
  9.術後

5 喉頭癌の手術

 1.喉頭垂直部分切除
  1.切除
  2.切除後
  3.再建
    DVD-2 喉頭垂直部分切除

 2.喉頭全摘術
  1.頸皮弁挙上
  2.喉頭全摘
  3.咽頭瘻縫縮
  4.気管孔作成
  5.閉創

6 下咽頭癌の手術

 1.下咽頭癌に対する喉頭機能温存手術(下咽頭部分切除術)
  1.咽頭収縮筋と頸動脈の剝離
  2.咽頭内腔へのアプローチ(側咽頭切開)
  3.腫瘍切除
  4.再建
    DVD-1 機能温存再建 2 咽頭再建

 2.咽喉食摘術
  1.皮膚切開および皮弁挙上
  2.頸部郭清
  3.腫瘍切除までの操作
  4.腫瘍切除
  5.再建
  6.閉創および永久気管孔作成
  ● 多くはないが特別なケースとして

 3.プロヴォックスの二期的挿入術(プロヴォックスVega)
  1.手術の実際

7 中下咽頭癌に対する経口的切除術(TOS)

 1.彎曲喉頭鏡による展開、上部消化管内視鏡による観察、
                       マーキング
 2.肛門側の粘膜切開
 3.FK-WOリトラクターによる展開
 4.TOVS




8 頭頸部下方領域の手術

 1.縦隔方向の手術
  1.上縦隔アプローチの目的
  2.縦隔へのアプローチ方法とその適応
 2.胸骨切開による上縦隔の手術
  1.縦隔リンパ節転移に対する手術
  2.交感神経鞘腫
 3.胸骨、鎖骨、肋骨などの骨切除による上縦隔の手術
  1.下咽頭頸部食道癌に対する手術
  2.上縦隔アプローチによる咽喉食摘術
              (頸部食道癌CCRT後の残存症例)
    DVD-3 上縦隔手術

9 副鼻腔の手術

 1.上顎部分切除術
  1.頬粘膜の切開と上顎骨前面の露出
  2.鼻前庭の切開と鼻腔外側縁の露出
  3.上顎洞内の処理
  4.上顎骨内側の骨切り
  5.止血・閉創

 2.上顎全摘術
  1.皮膚切開
  2.顔面皮弁挙上
  3.咬筋および下顎筋突起切断
  4.顎動脈結紮
  5.眼窩周囲の処理
  6.鼻涙管および眼窩内側の処理
  7.口腔・鼻内処理
  8.骨切除
  9.軟部組織切断
  10.篩骨、蝶形洞開放
  11.眼窩底の処理
  12.頬部皮下、欠損部の処理
  13.気管切開

 3.再 建
  1.腹直筋再建
  2.硬性再建
  3.ドレーン・ガーゼ留置

 4.拡大上顎全摘術(眼窩内容除去)
  1.切除
  2.再建
  3.術後

10 甲状腺の手術

 1.甲状腺癌
  ■a. 甲状腺全摘術
   1.術前準備
   2.皮膚切開と皮弁挙上
   3.甲状腺の露出
   4.甲状腺上極の処理
   5.反回神経の確認と温存
   6.副甲状腺機能の温存
   7.中心領域リンパ節郭清
   8.Berry靱帯の処理、甲状腺切除
   9.閉創
     DVD-4 甲状腺全摘出
  ■b. 気管合併切除・再建術
   1.気管軟骨表層切除(shaving)
   2.気管環状切除・端々吻合再建術
   3.気管円窓切除術
   4.喉頭浸潤例の処理
  ■c. 食道合併切除術
 2.甲状腺良性腫瘍
  ■甲状腺良性結節に対する甲状腺葉切除術
 3.バセドウ病の手術
  ■バセドウ病に対する甲状腺亜全摘術
 4.原発性副甲状腺機能亢進症
  ■副甲状腺腺腫摘出術

11 耳下腺腫瘍の手術

 1.耳下腺浅葉(部分)切除
  1.皮切
  2.皮弁挙上
  3.顔面神経本幹の探し方
  4.腫瘍摘出および顔面神経の扱い
  5.閉創
 2.耳下腺全摘術
  1.皮切、皮弁挙上、アプローチ、顔面神経の同定、閉創など
  2.神経の保存
  3.深葉の剝離と摘出
 3.拡大耳下腺全摘術
  1.切除
  2.再建

12 顎下腺腫瘍の手術

 1.皮切と皮弁挙上
 2.顔面神経下顎縁枝の同定と保護
 3.顎下腺の周囲組織からの剝離
 4.顔面動脈の同定と処理
 5.舌神経、ワルトン管の同定と処理
 6.舌下神経の同定と保護
 7.閉創

13 頸部腫瘍の手術

 1.神経鞘腫摘出術
  1.皮膚切開と頸皮弁挙上
  2.由来神経の確認
  3.神経外膜切開、腫瘍の剝離
  4.閉創
  5.術後
 2.頸動脈小体腫瘍摘出術
  1.皮膚切開と頸皮弁挙上、胸鎖乳突筋の剝離
  2.総頸動脈、外頸動脈、内頸動脈の確保
  3.外頸動脈、内頸動脈からの剝離
  4.閉創
  5.術後

14 気管切開術

 1.手術手順
 2.術後管理

15 前頭蓋底アプローチ

 1.皮膚切開およびpericranial flapの作成
 2.開頭
 3.硬膜切開および再建
 4.腫瘍切除
 5.前頭蓋底再建
 6.閉創
 7.術後状態


Ⅱ 再建のための皮弁採取


1 DP皮弁

 1.手術手順
 2.術後1年半の状態
 3.下頸部皮膚再建症例

2 大胸筋皮弁

 1.皮弁デザイン
 2.皮弁挙上
 3.皮弁の移動
 4.閉創
 5.術後管理

3 広背筋皮弁

 1.手術体位および皮島のデザイン
 2.広背筋前縁と胸背動静脈の確認
 3.皮弁の胸壁からの剝離
 4.肋骨の切断・遊離
 5.胸背動静脈の追求
 6.広背筋皮弁の遊離・採取
 7.ドレーンの留置・閉創

4 遊離腹直筋皮弁

 1.皮弁のデザイン
 2.皮弁の挙上、腹直筋前鞘の処理
 3.深下腹壁動静脈の確認、腹直筋の処理
 4.皮弁皮下脂肪の調整
 5.深下腹壁動静脈の処理
 6.創の閉鎖

5 前腕皮弁

 1.術前血管の確認
 2.皮弁のデザイン
 3.尺側からの皮弁挙上
 4.橈側からの皮弁挙上
 5.末梢からの皮弁挙上

6 肩甲骨皮弁

 1.体位と皮膚切開
 2.大円筋・筋三角の露出
 3.肩甲回旋動静脈の確認・追求
 4.胸背動静脈系の血管の確認と大円筋の切断
 5.棘下筋の切断と肩甲骨の骨切り
 6.骨付き皮弁の採取
 7.閉創

7 腓骨皮弁

 1.皮弁のデザインと採取
 2.骨弁のデザインと採取
 3.体位と皮膚切開
 4.皮枝の確認、腓骨の剝離
 5.腓骨の骨切り、骨間膜の切開
 6.皮弁後縁の切開、ヒラメ筋の剝離
 7.腓骨動静脈の固定、剝離、腓骨皮弁の挙上
 8.創の閉鎖
 ●頭頸部外科医の目線で

8 遊離空腸

 1.皮膚切開
 2.採取部位の決定
 3.採取
 4.切離・採取
 5.腸管の吻合
 6.閉創
 7.術後

9 前外側大腿皮弁

 1.皮膚切開
 2.穿通枝検索
 3.穿通枝の追求
 4.外側大腿回旋動脈下行枝の確認
 5.外側大腿回旋動脈下行枝の追求
 6.皮弁採取ラインの設定と切離
 7.閉創
 ■咽頭喉頭全摘術の再建への応用

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