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移植関係 ガイドライン一覧

臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023   臓器移植診療ハンドブック   臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン2022        
移植関係 ガイドライン
臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023

個数:
臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023

[ 編 集 ] 日本移植学会
    臓器移植抗体陽性診療ガイドライン策定委員会
[ 発行年 ] 2023年10月20日
[ 分 類 ] 臓器移植 ガイドライン
[ 仕 様 ] B5判 231頁
[ 定 価 ] 4,950円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-80-2
[ 主な内容 ]
●臓器移植にかかわる移植医療者必読のガイドライン最新版
●血液型不適合移植についても記載
●臓器移植医療にかかわるあらゆる職種と患者、家族も対象


2023年版 改訂に寄せて

 2015年秋に日本移植学会理事長を拝命した際、移植学会のミッションとして抗体関連 拒絶克服を掲げた。それまで血液型不適合研究会という全国組織の枠組みの中で腎臓移 植を手本として血液型不適合肝移植の標準化とリツキシマブの適応拡大を目指し活動して きた経験を活かし、日本移植学会として抗ドナー HLA抗体診療に必要な抗体検査、治療 法、戦術の確立を目指した。抗体検査は新たに内保連に加入して審査担当の先生方に丁 寧に説明することから始めた。リツキシマブとIVIGはメーカーとタッグを組んでPMDAの 門をくぐり、血漿交換の適応拡大は外保連のアンケートに書き込むことから始まった。 薬剤の適応拡大に関しては、実態調査と少なくとも一臓器における企業治験と他臓器に おける臨床研究または実態調査による有効性と安全性の確認が求められた。戦術を確立 するためにMinds診療ガイドラインに沿ったガイドライン作成を始めた。これらの仕事 は、日本移植学会内の委員会が担当した。資金は当初学会の自己資金で開始したが幸い にもAMEDの支援を得ることができた。「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2018年版」 はこの2017年採択AMEDの成果物である。
 その後、日本移植学会として遺伝子多型情 報を基軸とした長期成績向上のための研究を立ち上げAMEDに2020年に採択された。 その研究事業の1つが「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2018年版」の改訂である。改 訂版には、最新の文献として2017年採択AMEDの成果物である日本の抗体陽性診療情 報が記載されることになることと血液型不適合移植に関しても記載することになっている。この本が、日本移植学会が求める「高いレベルの標準化」の具現に貢献し移植患者さんが健やかに過ごされることを期待する。
 令和 5 年1月吉日
日本移植学会理事長 江川 裕人

編集後記

 「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン 2018年版」が上梓されて5年が経過した。2023 年版ガイドライン策定の各委員は、可能な限り2017年以降に報告された文献に注目し てきた。臓器移植における抗体陽性にかかわる診療は、この5年間で進歩した領域もあるが科学的に停滞している領域もあり、2018年版CQに対するステートメントと変わらない領域も多い。しかし、今回の2023年版の大きな特徴は、2018年版にはなかった血 液型抗体に関する新たな記載を設置したことである。血液型不適合移植は本邦で推進された移植領域でもあり、また抗体陽性という意味では抗HLA抗体同様にガイドラインに 掲載すべきであると考え、これを推進した。
 執筆者は熱意に溢れ、企画当初の予想を超える出来栄えと感じている。一部内容の重複や、章ごとに文章量の相違があることは、ご了承頂ければ幸いである。
 本ガイドライン作成にあたり多大なご貢献をされた策定委員、協力者としてシステマティックレビューや解説の記載にご協力くださった方々、ガイドライン 統括委員の皆様に深謝する次第である。さらに、ガイドライン発刊に際し、多くのご助言とご協力を頂戴したぱーそん書房の山本美恵子様に感謝申し上げる。
 最後に、本ガイドラインが日常臨床に役立つとともに、今後さらにエビデンスが蓄積され、より充実したガイドライン策定の礎となることを願うものである。
臓器移植抗体陽性診療ガイドライン策定委員長
移植学会医療標準化委員会委員長
佐藤 滋




目次

臓器移植抗体陽性診療ガイドライン 2023策定委員
協力者 (Systematic Review and Writing)
ガイドライン統括委員

Ⅰ 臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023改訂について


 A.改訂版の方針

  1)対象と目的
  2)手順と作業
  3)ガイドライン構成
  4)責任
  5)作成資金
  6)利益相反

 B.推奨の強さとエビデンスレベル
 C.略語一覧

Ⅱ 抗HLA抗体・non-HLA抗体


 第1章 総論・抗体の定義
  A.抗HLA抗体産生の機序
  B.抗体の種類・特異性・検出時期による違い

  1)抗体の種類
  2)抗体の特異性
  3)抗体の検出時期

  C.HLA表記法とプロトコル

  1)HLA 表記法
  2)プロトコル

 第2章 組織適合性検査
  A.検査の歴史
  B.組織適合性検査

  1)HLA 抗体検査
  2)クロスマッチ(リンパ球交差試験)
  3)HLA タイピング
  4)結果に影響する薬物と対処法

  C.抗HLA抗体検査保険適応と算定条件

  1)移植後の抗体検査 2018 年(平成30年)4月1日
  2)移植前の抗体検査 2020 年(令和2年)4月1日

  D.新たな解析法

  1)C1q
  2)C3d
  3)IgG サブタイプ
  4)エピトープ・エプレット解析

  E.検査実施の現状
 第3章 移植前抗体陽性
  A.既存抗体陽性の臨床的意義

  CQ3-1 既存抗体陽性は移植成績に影響するか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-2 抗体の種類・nMFI などによって移植成績は
                     異なるか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

  B.既存抗体陽性への対応

  CQ3-3 脱感作療法は有効か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-4 どのような脱感作療法があるのか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-5 どのような抗体陽性例で脱感作療法が必要か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-6 脱感作療法の時期と評価法はどのように
                      すべきか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-7 Preformed DSA は移植後消失することが
                      あるのか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-8 Preformed DSA 消失後再度発生した抗体は
                  de novo DSA か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ3-9 脱感作療法後に移植を回避する判断基準は
                       あるか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 C.Non-DSA、non-HLA抗体陽性への対応 

  CQ3-10 Non-DSA や non-HLA 抗体陽性に
                 脱感作療法は必要か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 第4章 抗体関連型拒絶反応
 A.基準・定義

  CQ4-1 Preformed DSA と de novo DSA では
                  予後は異なるか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ4-2 De novo DSA 発生率は移植後経過期間で
                     異なるか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ4-3 抗体の種類・nMFI などによって移植成績は
                     異なるか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]




 B.診断法

  CQ4-4 抗体関連型拒絶反応の診断に必要な検査項目
                       は何か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 C.治療法

  CQ4-5 治療介入・非介入の判断基準は何か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ4-6 抗体陽性で治療非介入は予後不良か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ4-7 抗体関連型拒絶反応の治療法は何があるのか
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 CQ4-8 抗体関連型拒絶反応の治療評価はどうすべきか

  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]
  CQ4-9 抗体関連型拒絶反応の治療評価時期はいつが
                       適切か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 D.Non-DSA、non-HLA抗体陽性への対応

  CQ4-10 Non-DSA や non-HLA 抗体陽性に治療介入
                      は必要か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺] [小腸]

 Ⅲ 血液型抗体


 第5章 抗体検査法
 A.総 論

  1)ABO 血液型
  2)血液型抗体価

 B.検査法

  1)血液型検査法
  2)抗体価検査法
 第6章 血液型不適合移植

  A.抗体除去法(腎・肝)

  CQ6-1 どのような除去療法があるか
  解 説 [腎] [肝]
  CQ-6-2 どのような症例で除去療法を実施するのか
  解 説 [腎] [肝]

  B.移植の適応(腎・肝)

  CQ6-3 移植可否の判断基準はあるか
  解 説 [腎] [肝]

  C.血液型抗体による抗体関連型拒絶反応の診断(腎・肝)

  CQ6-4 血液型抗体関連型拒絶反応の診断基準は何か
  解 説 [腎] [肝]

  D.血液型抗体による抗体関連型拒絶反応の治療(腎・肝)

  CQ6-5 どのような治療法があるか
  解 説 [腎] [肝]

  E.予後(腎・肝

  CQ6-6 血液型不適合移植は血液型適合移植に比べ
                    予後は異なるか
  解 説 [腎] [肝]
  CQ6-7 血液型抗体によって予後は異なるか
  解 説 [腎] [肝]

  F.腎・肝以外の臓器移植

  CQ6-8 腎・肝以外の臓器で血液型不適合移植は施行
                      されているか
  解 説 [膵] [心] [肺] [小腸]

  G.ABO血液型以外の血液型不一致移植(全臓器)

  CQ6-9 ABO 血液型以外の血液型不一致は移植可能か
  解 説 [腎] [肝] [膵] [心] [肺]

 Ⅳ 治療薬とアフェレシス


 A.治療薬

  1)保険適応薬
  2)これからの適応薬

 B.アフェレシス
臓器移植診療ハンドブック

個数:
必携 内科医のための
臓器移植診療ハンドブック

[ 編 集 ] 一般社団法人 日本移植学会
        Transplant Physician委員会
[ 発行年 ] 2023年3月21日
[ 分 類 ] 臓器移植
[ 仕 様 ] B5判 本文266頁
[ 定 価 ] 6,600円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-79-6
[ 主な内容 ]
●国内初の内科医のための臓器移植診療ハンドブックがここに‼
●「移植患者は診られない、わからない」からブラッシュアップ‼
●移植の基礎知識と診療の仕方についてわかりやすく解説‼


はじめに

 20世紀に急速に発展したScienceがもたらしたものに移植医療があります。この医療は自己でない臓器を自己体内で生着させることから、そのために基礎医学から臨床まで臓器横断的に広がるさまざまな知識が要求され、さらに臓器提供者(ドナー)の存在から始まる医療であるため、より高い倫理観が要求される医療です。そのため、この移植医療が粛々と行われることは、その国の社会および医療水準のバロメーターになると思われます。
 わが国では、1997年の臓器移植法施行以来、医学界以外も含めた各方面の努力でさまざまな臓器における移植が実施されるようになり、各臓器移植後の成績は海外に比して良好であり、今では通常医療になったと言っても過言ではありません。
 ここで移植には移植手術を伴うため、外科医の参画は自然ですが、移植適応、移植前管理から長期にわたる移植後管理については、その多くが内科的なものです。しかしながら、実際の内科医の参画はいまだ十分であるとは言えず、今後のわが国の移植医療の発展のためには、さらなる内科医の参画、つまり実地医家、研修医からの移植医療への参画が必須であると思われます。
 本書は、2020年に発足した一般社団法人日本移植学会Transplant Physician(TP)委員会(委員長:布田伸一)の面々と、各臓器移植のエキスパートがこれからのわが国の移植医療の発展を願って書きあげたものです。
 21世紀において、移植医療はますます発展し、その関連患者は増加の一途を辿るでしょう。先人たちが残した多くの業績を礎に、皆様の座右の書として、本書が、医療に携わる者のもつべきPhilosophyと先進医療知識を必要とする移植医療の実践に少しでもお役に立てますことを願っております。
 2023年3月吉日
「必携 内科医のための臓器移植診療ハンドブック」編集委員長
布田 伸


目次

第Ⅰ章 総論-臓器移植診療のための基礎知識-


 1 各臓器移植の術式
 2 レシピエントの年齢
 3 移植実施施設と非移植実施施設の診療連携
 4 レシピエントの発熱時の対応
 5 上・下気道炎症状時の対応
 6 嘔吐・下痢の対応
 7 日常生活における外傷、けがへの対応、注意点
 8 免疫抑制薬モニタリングの注意点
 9 移植後感染症
 10 移植後の日常生活と服薬の注意点、栄養および
                    代謝異常の管理
 11 貧血の管理
 12 移植と悪性腫瘍
 13 ワクチン接種
 14 ノンアドヒアランス、メンタルヘルスへの対応
 15 小児移植後の成長と日常生活の注意点
 16 小児移植医療におけるトランジション
 17 妊娠可否とその注意点

第Ⅱ章 各論-臓器別にみる内科的管理-


1 心臓移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 移植待機中の内科的管理、注意点
 3 移植待機中における補助人工心臓の管理、注意点
 4 移植待機中から移植後の多職種チームによるケア
 5 拒絶を疑う臨床所見と検査
 6 移植後感染症の留意点
 7 移植心の生理学的特徴と移植後の運動と
                   リハビリテーション
 8 移植前後の日常生活の注意点、栄養および代謝異常の
                         管理
 9 移植心冠動脈病変(CAV)の診断と治療
 10 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理

2 肺移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 移植待機中の内科的管理、注意点
 3 拒絶反応を疑う臨床所見と検査
 4 移植後感染症の留意点
 5 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
 6 移植前後における栄養管理と移植後の食事指導
 7 移植後慢性移植肺機能不全の診断と治療
 8 生体肺移植ドナーの管理



3 肝臓移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 移植待機中の内科的管理と重症肝障害への集中治療
 3 移植前後の栄養管理、移植後の食事指導
 4 拒絶を疑う臨床所見と肝生検
 5 移植後のB型肝炎・C型肝炎・E型肝炎の管理
 6 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
 7 移植後肝癌再発の予防と管理
 8 移植臓器機能廃絶時のケア
 9 生体肝移植ドナーの管理

4 腎臓移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 拒絶を疑う臨床所見と腎生検
 3 移植後感染症の留意点
 4 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
 5 移植前後における栄養管理と移植後の食事指導
 6 移植後再発腎炎の治療法
 7 移植臓器機能廃絶時のケア
 8 生体腎移植ドナーの管理

5-1 膵臓移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 拒絶反応を疑う臨床所見と検査
 3 移植後感染症の留意点
 4 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
 5 移植前後の栄養管理と移植後の食事指導
 6 移植後膵内分泌機能の評価
 7 移植後耐糖能障害の再発に対する治療法
 8 移植臓器機能廃絶時のケア

5-2 膵島移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 移植後のインスリン使用の必要性

6 小腸移植

 1 移植適応申請に必要な内科的検査(適応基準)と
                       禁忌事項
 2 移植待機中の内科的管理・注意点
 3 拒絶を疑う臨床所見と検査
 4 移植後感染症の留意点
 5 移植後に必要な免疫抑制薬以外の薬剤とその管理
 6 移植後の栄養管理と食事指導、ストーマ管理

付録 医療費、公的支援、社会保障について

臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン2022

個数:
臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン2022

[  編  ] 日本移植学会
     臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン策定委員会
[ 発行年 ] 2022年11月20日
[ 分 類 ] 臓器移植 ガイドライン
[ 仕 様 ] B5判 155頁
[ 定 価 ] 3,300円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-78-9
[ 主な内容 ]
●臓器移植にかかわる移植医療者必読のガイドライン最新版刊行
●CMV感染症は臓器移植後、最も発症頻度の高いウイルス感染症
●臓器移植医療にかかわるあらゆる職種と患者、家族も対象


編集後記

 本ガイドラインの「はじめに」に記載しているように、CMV感染症は臓器移植後最も発症頻度の高いウイルス感染症の1つであり、臓器移植成績に影響を及ぼす可能性がある。また、治療薬はあるがワクチン接種による予防法は確立していない。
 これまで、日本臨床腎移植学会から「腎移植後サイトメガロウイルス感染症の診療ガイドライン2011」が2011年10月発刊され、既に10年が経過している。さらに、2020年8月CMV核酸定量法(PCR法)が保険収載されたことにより、全臓器対象の本ガイドラインを作成する意義が高まったと認識している。
 執筆者は熱意にあふれ、企画当初の予想を超えるでき栄え、と感じている。一部内容の重複や、章ごとに文章量の相違があることはご了承頂ければ幸いである。
 本ガイドライン作成にあたり多大なご貢献をされた策定委員、協力者としてシステマティックレビューや解説の記載にご協力くださった方々、外部評価委員、ガイドライン統括委員の皆様に深謝する次第である。さらに、ガイドライン発刊に際し、多くのご助力を頂戴したぱーそん書房の山本美惠子様に感謝申し上げる。
 最後に、本ガイドラインが日常臨床に役立つとともに、今後さらにエビデンスが蓄積され、より充実したガイドライン策定の礎となることを願うものである。
                                       佐藤 滋 記

日本移植学会理事長 江川 裕人
医療標準化・移植検査委員会委員長 佐藤 滋


目次

臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン策定委員
協力者(Systematic Review and Writing)
ガイドライン統括委員

第Ⅰ章 はじめに


 1. ガイドライン策定にあたり

  1) 対象と背景
  2) 手順・作業
  3) ガイドライン構成
  4) 責任
  5) 資金
  6) 利益相反

 2. 推奨の強さとエビデンスレベル
 3. CMV核酸定量検査とreal-time PCR法の表記
 4. 略語一覧

第Ⅱ章 CMV感染と感染症の分類・定義


 1. CMV感染(CMV infection)
 2. CMVの複製(CMV replication)
 3. CMV初感染(primary CMV infection)
 4. CMV感染の再発(recurrent CMV infection)
 5. CMV再感染(CMV reinfection)
 6. CMV再活性化(CMV reactivation)
 7. CMV感染症(CMV disease)

第Ⅲ章 CMV概論


 1. 序論
 2. CMVの構造と機能
 3. 感染経路と血清疫学
 4. CMV発症リスクにかかわる宿主因子

第Ⅳ章 CMV関連薬剤


 1. 保険適応CMV治療薬

  1) 種類
  2) 作用機序
  3) 薬物動態・代謝・排泄
  4) 副作用

 2. 抗ウイルス薬開発から抗CMV薬へ
 3. 新規治療薬の可能性

  1) レテルモビル
  2) Maribavir
  3) Brincidofovir

 4. 免疫によるCMV感染症発症予防

  1) 抗体療法
  2) ワクチン


第Ⅴ章 CMV感染の検査法


 1. 血清学的検査
 2. CMVの培養・分離
 3. ウイルス迅速同定(シェルバイアル法)
 4. CMV抗原血症法(CMVアンチゲネミア法)
 5. 核酸定量法(PCR法)
 6. 細胞・組織病理学的検査
 7. 薬剤感受性試験
 8. PCR法保険適応
 9. アンチゲネミア法とPCR法の結果比較

  1) アキュジーンm-CMV
  2) コバス6800/8800システムCMV


第Ⅵ章 CMVによる臓器障害を伴う感染症


 1・総論

  1.CMV感染症

   1) CMV症候群
   2) CMVによる臓器障害を伴う感染症

  2.治療総論

 2・各論

  1. CMV肺炎
  2. CMV網膜症
  3. CMVによる中枢神経障害(脳炎・横断性脊髄炎・
                  多発神経炎など)
  4. CMV胃腸炎

   1) 症状
   2) 診断
   3) 治療

  5. CMV肝炎

   1) 頻度
   2) 症状
   3) 血液検査所見
   4) リスク因子
   5) 診断
   6) 治療

  6. CMV心筋炎
  7. CMV腎炎・膀胱炎




第Ⅶ章 小児CMV感染の特徴


 1. 疫学

  1) CMV感染の頻度
  2) CMV感染の危険因子
  3) CMV感染の間接効果
  4) 免疫学的モニタリング

 2. 治療・予防

  1) CMV感染に対する予防戦略
  2) 抗ウイルス薬の選択
  3) 予防投与の期間
  4) ウイルス量のモニタリング
  5) CMV感染・感染症の治療
  6) CMV感染により有効な免疫抑制薬やその他の製剤の選択
  7) GCV耐性CMV


第Ⅷ章 臓器移植関連CMV感染への対応(臓器別)


 1・移植前検査

  ■CQ VIII-1-1: 生体臓器移植前のドナー/レシピエントの
                        検査法は何か
   解 説 [腎][肝][膵][肺][小腸]
  ■CQ VIII-1-2: 脳死下・心停止後臓器提供のドナー検査は
                           必要か
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]

 2・移植後感染モニリング

  ■CQ VIII-2-1: モニタリングの検査法と頻度はどうすべきか
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]
  ■CQ VIII-2-2: モニタリングが不要になる時期はあるか
   解 説 [腎][肝][膵][肺]

 3・感染・感染症のリスク因子

  ■CQ VIII-3-1:CMV感染のリスク因子は何か
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]

 4・予防投与と先制治療の比較

  ■CQ VIII-4-1:感染症発症抑制効果はどちらがよいか
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]
  ■CQ VIII-4-2: 予防投与・先制治療の終了目標は
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]
  ■CQ VIII-4-3: 初回治療終了後の再治療開始の目安は
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]

 5・CMV感染症の好発時期

  ■CQ VIII-5-1: CMV感染・感染症の好発時期はいつか
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]

 6・移植臓器別治療法

  ■CQ VIII-6-1: 臓器別に治療法の違いはあるか
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]
  ■CQ VIII-6-2:ガンシクロビル治療抵抗性CMV感染の対処は
                         どうするか
   解 説 [腎][肝][膵][心][肺][小腸]


第Ⅸ章 SARS-CoV-2波及時の臓器移植後CMV感染


 ■SARS-CoV-2感染におけるCMV感染症併発について

第Ⅹ章 臓器移植後CMV感染の免疫機構への影響


 1. ウイルス構造・ゲノム
 2. 宿主免疫
 3. 免疫回避・細胞死抑制
 4. 臓器移植における影響
2024年3月 新刊追加